また逢う日まで | comino Records
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また逢う日まで

東京うたの日コンサート」以来、キュートな歌声とおしゃれなアレンジですっかりお気に入りの「黒船レディと銀星楽団」。ライブスケジュールはちょくちょくチェックしていたんだけど、タイミングがうまく噛み合わなくてなかなか見に行くことが出来ないでいたら、ボーカルでバンマスの「黒船レディ」こと水林 史さんがめでたくご懐妊。おめでとうございます。
このような事情から、しばらくは音楽活動を休止することになったそうで、産休前の最後の演奏会として豪華なサポートメンバーを迎えて「黒船レディと(ものスゴい!)銀星楽団」としてライブを行うことになったそうです。これを逃すとしばらくは見ることが出来なくなってしまうし、ウィークデーではあるけど金曜日の夕方からスタートというスケジュールだったので早速予約しました。
ハコは「渋谷 JZ Brat」。渋谷駅西口、246沿いにある「セルリアンタワー東急ホテル」2階にある、かな~りおしゃれなライブバーです。というか、むしろラウンジとかそーいった雰囲気。会場は17:30、開演は19:30ということだったんで、早めに仕事を切り上げて19:10くらいに到着。事前にウェブで開演時間を再確認したら会場は満員御礼。キャンセル待ち状態になっていました。事前に予約しておいてよかった。

入場の際にはイラストレーターのマリマリさんがデザインしたポストカードのプレゼントが。なかなか気が利いた可愛いおもてなしですね。また、お店と「黒船レディと銀星楽団」のコラボレーションによるスペシャルプレート(んまぁ、定食ですな(汗))とカクテルも用意されていて、もうこの時点でかなり力こぶの入ったライブであることが判ります。
比較的早い時期に予約したということもあったんだろうけど、我々の席はステージ前の"かぶりつき"…いやいやFront Row。一番上手側ってのが玉にキズでしたが、なかなか良い場所を確保できました。お客さんの6割くらいは女性客でしょうか、最前列は拙者以外は全て女性でした。ひとまずビールを注文し、まったりとラウンジの雰囲気を味わっていると、開演時間はちょっと押して20時前くらい。演奏者の皆さんが入場。会場が暗転して1stステージスタートです。
「リリー婦人」(廣田ゆりさん)のトイピアノによる「Pâtissier」が会場に流れると、ステージ上手側にあるバーカウンター頭上のコンクリート打ちっぱなしの壁にタイトルバックアニメーションがプロジェクターで大きく投影されます。アニメーションに「黒船レディと銀星楽団」のイラストが映し出させるとともに、リリー婦人のカウントインから「鳥になりたい」。プロジェクターはステージのライブ映像にクロスディゾルブし、ステージ上の演奏者にスポットライトが照らされる…という、のっけから凝った演出に感動! 拙者、こーいった演出が大好きなのでこの時点でちょっと涙目になってしまいました(笑)。

ライブ中盤「亡き王女のためのパヴァーヌ ~ Pavane Pour Une Infante Défunte ~」、「Bandoneon」、「古本屋のワルツ」のメドレーではステージの照明がおとされ、大野一興氏がこの日の為に制作したというアニメーションがバーカウンター頭上に投影されます。アニメーションは、むしろ影絵といった雰囲気のレトロでノスタルジックな感じ。藤城清治さんの世界を彷彿とさせるようなとてもスバラシイ作品でした。非常に凝った演出です。CDの帯に書いてあった「ありそうでなかった単館ミニシアター系サウンド!!」という言葉を思い出しました。ラストライブでそれを具現化することが出来たんですね。感無量。ご本人たちも非常に感動されたご様子でした。
最後に「Amapola」をしっとりと歌い上げ1stステージは終了。2ndステージに向けてステージのセッティンが変更されます。2ndステージではリズムセクションをドラムを加え、3管(最終的に4管)をゲストに迎えた、まさに"ものスゴい!"銀星楽団に。ドラムのセッティングにステージに上がった「チェルシー王子」こと大沢君にご挨拶(こっちは最前列上手だし、上手から機材の出し入れをしていましたから)。思わずセッティングを手伝いそうになっちゃいました(勝手にカラダが反応してしまう(汗))。
ステージの準備が整い、こちらの準備(トイレ)が整ったところで2ndステージスタート。リリー婦人のカウントインから「C'est Magnifique」が小粋に演奏され、イントロをバックにお色直しを済ませた黒船レディが登場。う〜〜ん、いいっすね。ありがちなベタな演出にやられちゃいますわ。続いて軽快でコケティッシュな「いちばんほしいもの」。「奥様は魔女」のテーマソングを彷彿とさせるサビのメロディとアレンジがお気に入りの曲。"ものスゴい!"銀星楽団の豪華サポート陣のソロを交えて小粋でスウィンギーな演奏にやられちゃいました。
続いて、ゲストボーカルとして「8282男爵」(矢船テツローさん)を迎えてツインボーカルによる「Doop-Doo-De-Doop (A Doodlin' Song)」、「Fun Time」を演奏。「8282男爵」さんは長身でなかなかのイケメンなおにーさんでした。
一旦「8282男爵」さんはステージから降り、ここからはフロント陣のソロをフィーチャーした演奏。先ずはテナーサックスの「フェザーフェアリー卿」(羽根淵 道広さん)をフィーチャーして「忘れもの ~ Do You Know What It Means To Miss New Orleans? ~」をしっとりと。リリー婦人作曲の「Gumbo!」を挿んで、「ポールお兄様」(菅野 浩さん)をフィーチャーして「Polestar」を、「むごん禅師」(茅野 嘉亮さん)をフィーチャーして「燕 〜TSUBAME〜」を演奏。ホーンアレンジはこの日の為にリリー婦人が新たに書き下ろしたものもあるそうで、なみなみならぬ苦労があったと思います。でも、その甲斐あってすばらしいホーンセクションのサウンドを堪能することができました。
そして最後の曲、結成前から演奏していたという、お気に入りのスイング「上海」。もちろんこれで終わるはずもなく、アンコールの拍手の中、ゲストで参加したメンバーもステージに上がり「Tristeza」を全員で演奏。「黒船レディと銀星楽団」のラストを飾る豪華で楽しい演奏となりました。
最後に「黒船レディ」水林 史さんの相棒であり、作曲・アレンジを担当されていた「リリー婦人」こと廣田ゆりさんから衝撃の告白が。今回の活動休止を機会に「黒船レディと銀星楽団」を"卒業"して、新たに"船出"するとのことらしいです。実質「解散」に近いカタチになってしまうんでしょうかね? せっかくお気に入りのバンドに出会ったのにちょっと残念ですわ。
そして「黒船レディ」と「リリー婦人」のデュエットで「桃の花」をしっとりと演奏。「リリー婦人」のトイピアノの演奏をバックに、船出してゆく「黒船」のアニメーションがバーカウンター頭上に投影され終演。鳴り止まぬ拍手。
女性らしい気配りとおもてなし、アイデアとセンスがてんこ盛りの素晴らしいライブを堪能することができました。ウチのカミさんもタイヘン感動しておりました。限りなく解散に近い活動休止みたいだけど、なんらかのカタチで活動を再開してくれることを望みます。それでは、また逢う日まで。
終演後、ドラムの「チェルシー王子」(大澤 公則クン)とちょっとだけ歓談。いやぁ、大所帯のうえにライブの趣向からしても、打ち上げはさぞかし盛り上がるんだろーねー。
チェルシー王子:「いや、1時間くらい飲んで終わるらしいですよ。ボクと違ってメンバーの皆さんマジメだから(爆)」カンザスシティーバンド KC10の時とは、だいぶ違うみたいだね(笑)。
渋谷駅に着いたのは23時過ぎ。実は今回、開場となる「渋谷JZ Brat」での飲み食いは結構高価だろうと想定(つか、事実そうでした)。なんで、渋谷に着いた時点で予めラーメン屋でリーズナブルに食事を済ませてきたのでありました(汗)。そんなワケで、今回は素直に家路についたとさ。
  • 「黒船レディ」・・・・・・・・水林 史 (vo.)
  • 「リリー婦人」・・・・・・・・廣田ゆり (Pf.)
  • 「セニョ〜ル・モリコ」・・・・古森 貞之 (g.)
  • 「クリスタル卿」・・・・・・・玉木 勝 (b.)
  • 「プリンセス桜」・・・・・・・則包 桜 (perc.)
  • 「チェルシー王子」・・・・・・大澤 公則 (dr.)
  • 「フェザーフェアリー卿」・・・羽根淵 道広 (ts. , fl.)
  • 「ポールお兄様」・・・・・・・菅野 浩 (bs.)
  • 「アイアイ公爵」・・・・・・・相内 昭徳 (tb.)
  • 「むごん禅師」・・・・・・・・茅野 嘉亮 (tp.)
  • 「8282男爵」・・・・・・・矢船 テツロー (guest vo.)
Posted: 11/08/09
Last updated: 03/27/10