実録・大人の夜のビッグバンドブルース
2009/07/29 archives:ライブネタ
7月29日、渋谷 7th FLOOR で行われたカンザスシティーバンドの大舞台『大人の夜のビッグバンドブルース』を観に行ってきました。
以前レポートしたとおり『東京うたの日コンサート』でプレビュー講演は観ましたが、その時点ですでに “昭和キャバレーサウンド” にノックアウトされていたワタクシとしては本講演は絶対に外せません。 先月、HUB浅草店でのライブ時(7月17日)に直接本人に予約しておきました(ってか、マジで最近カンザスシティーバンドさんにハマってるなぁ…)。 そんなワケで、7月29日水曜日。ちょっと早めに仕事を切り上げて、そそくさと渋谷に向かったのでありました。
7th FLOORというハコは今回で二回目。 前回『東京うたの日コンサート』で初めて来店したわけだが、ここはレッキとしたライブハウス。 ライブ中、客席まで飲み物のオーダーをとりに来てくれるようなタイプの店ではなく、お酒のオーダーは幕間にカウンターまでの直接オーダーしに行くしか無い。 まぁ、これはこれで問題は無い。 ふつう、音楽を楽しむためのライブハウスではよくある形式である。 だが、今回のようなライブの場合、アルコールは必須である。呑みが足りないのでは少々キビシい。
そこで今回はちょっと作戦を変更。 渋谷に着いたらまず円山町に直行。 7th FLOOR近傍の飲み屋で十分エンジンを暖めてからライブに望むことにしたのである。
道すがら道頓堀劇場の通りを覗いてみる。 前回『東京うたの日コンサート』の際に、カンザスシティーバンドの下田氏がMCで語っていた「道頓堀劇場閉鎖問題(?)」が気になっていたからである。卓ちゃんの言うとおり同ストリップ劇場は閉鎖されているようであった。まぁ、残念というか、ナンというか。いずれにせよ何となく寂しい気分になることは間違いないようである。
2009年11月13日追記:
道頓堀劇場は復活した模様です。
道頓堀劇場は復活した模様です。
道玄坂を上りきったところで時計は18:20。 ココを右に曲がれば7th FLOORはすぐソコ。 会場は19:30だから十分時間はある。 ひとまず「ただいまの時間、お飲物全品半額」の店に飛び込み、生ビールとつまみを3品程度注文する。 客は我々のみ。 今日はそんなに猛暑日ではなかったが、道玄坂を早足で歩いてきた喉には生ビールが心地よい。 生ビール3杯程度呑んだ後、早々に日本酒に突入。 飛び込みで入った店の割にはつまみは安価でウマいし、飲み物は全品半額だし、ついつい当初想定したいたよりも食い呑みしてしまった。 この時点で時計は19:15。時間も酔いも丁度良い感じになったので、店の会計を済ませて7th FLOORに向かう。
7th FLOORはその名のとおり、O-WESTビルの7階。1階にはAM/PM。
ほぼ定刻どおり会場に着くとAM/PMの前から長蛇の列が出来ており、警備員が誘導して列を整えている。スゴイことになっているじゃあないですかぁ。7th FLOORはそれほど大きなハコではないから、最悪立ち見かなぁ?と一応覚悟を決め、列の最後尾に着く。待つ事約15分、やっと列が動き始めてエレーベータに乗り入場。
今回は『ジャイブダンサーの方に踊っていただく為のスペース』として客席の後ろ半分が割かれており、その分客席は前回来た時より少ないと思われる。それでもなんとかギリギリ席を確保することが出来た。
しかし、その後もお客さんは続々と入場し、『ジャイブダンサーの方に踊っていただく為のスペース』は実質『立ち見席』になってしまった。 最終的には80〜90人近く入ったと思われる。
満員御礼である。
カウンターでワンドリンク=ビールを受け取り席に戻る。音源収録の準備と確認を行っている間にもビールが空いてしまう。 “呼び水” が効いているためである。 ひとまずライブ中に飲む用のアルコールを手配して席に戻ると、暗転。カンザスシティーバンドの面々がステージに入場し第1部のスタートだ。
まずは『惚れた男のブルース』。 湿度75%のホーンセクションが熱い! 菅野淳史氏のミュートトランペットが光る! 卓ちゃんもニンマリだ。
続いて『円山町ブルース』。さすがにコアなオーディエンスが多いのであろう、2曲目だと言うのに、既に会場大合唱状態だ。「円山町〜〜」
ブルースナンバーが2曲続いたところで最初のMC。 ここでメンバー紹介。 カンザスシティーバンドの集大成となるライブにするとの宣言に会場大いに盛り上がる。
続いては『緋牡丹おばあちゃん』。 この曲はいいね〜。 カンザスシティーバンドのレパートリーの中でも好きな曲だ。 前回『東京うたの日コンサート』の時はバンドの音を確かめるように卓ちゃんはほとんどトランペットを演奏しなかったのだが、今回はバッチリ気合いの入ったソロを堪能できたのも良かった。
バンジョープレーヤーの青木研氏の言葉からインスパイヤーされたという曲紹介と共に『お断りだぜ』を演奏。
続いて、スローなブルースナンバーな『Midnight Lonesome Blues』。
さて、今回カンザスシティーバンドKC10の面々は揃いの作業着姿。 “働く男の象徴”「ワークマン三鷹店」で購入したという。 購入にまつわるMCに場内大爆笑。 その勢いで『低気圧ガール』、『Hard Working Woman』を演奏。場内爆笑のうちに第1部のステージが終了した。
この際「11PMのジングル」が流れるというマニアックで凝った演出があったのだが、少々音量が小さかったのが残念だった。
この際「11PMのジングル」が流れるというマニアックで凝った演出があったのだが、少々音量が小さかったのが残念だった。
明るくなった会場を見渡すと音楽関係の客人も多いようだ。 卓ちゃんの人柄が忍ばれる。
今回はあらかじめエンジンを暖めたからライブに臨むという作戦のおかげでアルコールが足りないという不満は無い。 しかし、ややエンジンが暖まりすぎてしまい、いつもよりも雄叫び量が多くなってしまった関係で喉が渇く。 カウンターで予備も含めてビールや焼酎を買い込み第2部に備えた。 R-09のバッテリーインジケータをチェックすると残量が半分になっていた。すぐにバッテリーを交換し、録音をスタンバイしたところで暗転。第2部のスタートだ。
第2部最初の曲は『One O'Clock Jump』。さすが選りすぐりの腕利きメンバーで構成されたホーンセクション。ダイナミックな演奏を堪能! 会場もすぐに熱くなる。
続く曲は『東京ブルース』。 やられたぁ〜! カンザスシティーバンドじゃないと出来ないセットリストだねこりゃ。 一気に昭和なキャバレーの雰囲気に包まれる場内。「わかるかなぁ~、わかんねぇだろうなぁ~(by 松鶴家 千とせ)」みたいな。
続くナンバーは2003年セカンドアルバム『DIVE-JIVE』より『黒い猫のブルース』。レコーディングの時エピソードのハナシに引き続き、本日のスペシャルゲストである、バンバンバザールの富永寛之氏登場! 場内大喝采。
さて、曲のほうは…昔ハコバンで演奏していたミュージシャンが、後年アルバイトのビル解体工事で向かった現場は、当時出演していた場末のキャバレーだった…というマニアックな設定の曲『追憶の解体現場』。富永寛之氏のせつないギターアルペジオから、渋いキャバレーアンサンブルに。染みますなぁ〜。
続いては『Don't cry baby』。前回『東京うたの日コンサート』の時も演ったのだが、富永寛之氏のギターを思いっきりフィーチャーした今回のアレンジはしっとりといい感じだ。
さて、続いての本日のゲスト。ダイナマイト・ミキさん登場! 曲は『ミズーリ・バウンド』。パンチの効いた昭和ジャズボーカル。いいっすね〜!!
場内大喝采の中でダイナマイト・ミキさん退場。
ここでMCは『道頓堀劇場閉鎖問題』のハナシに。 卓ちゃんの情報によるとこの秋には再開するとのこと。 いやぁ、ホントにお人柄が忍ばれますな〜。 そんなお友達のお一人、ダンサーの愛ちゃんが『ジプシー・マリー』にフリを付けたので是非踊らせて欲しいというコトで、本日のスペシャルゲストとして踊ってくれるらしい。
「ダンサーの愛ちゃんはいる? 愛ちゃ〜〜ん」とのかけ声と共に『ハーレム・ノクターン』が演奏され、本来『ジャイブダンサーの方に踊っていただく為のスペース』に愛ちゃん登場!!
ここでMCは『道頓堀劇場閉鎖問題』のハナシに。 卓ちゃんの情報によるとこの秋には再開するとのこと。 いやぁ、ホントにお人柄が忍ばれますな〜。 そんなお友達のお一人、ダンサーの愛ちゃんが『ジプシー・マリー』にフリを付けたので是非踊らせて欲しいというコトで、本日のスペシャルゲストとして踊ってくれるらしい。
「ダンサーの愛ちゃんはいる? 愛ちゃ〜〜ん」とのかけ声と共に『ハーレム・ノクターン』が演奏され、本来『ジャイブダンサーの方に踊っていただく為のスペース』に愛ちゃん登場!!
場内大喝采。
そして演奏されるのは『ジプシー・マリー』。ステージとは真反対側で繰り広げられるストリップショー。完全ハコバン体制のカンザスシティーバンド。いやぁ〜〜、こりゃ、マジで演出凝り過ぎでしょ。
しかも愛ちゃんもツボを押させたプロダンサー。『ジプシー・マリー』中盤で『セント・ルイス・ブルース』に展開する絶妙なタイミングで最後の一枚をはらり… 場内割れんばかりの大喝采の中『セント・ルイス・ブルース』がイナタく響く。 ウマい!ウマすぎる!!(涙)
(もちろん成人指定のため「踊り子さんにはお手を触れにならないでください」、「写真撮影は固くお断り致します」というお決まりで残念ながら写真はありません)
しかも愛ちゃんもツボを押させたプロダンサー。『ジプシー・マリー』中盤で『セント・ルイス・ブルース』に展開する絶妙なタイミングで最後の一枚をはらり… 場内割れんばかりの大喝采の中『セント・ルイス・ブルース』がイナタく響く。 ウマい!ウマすぎる!!(涙)
(もちろん成人指定のため「踊り子さんにはお手を触れにならないでください」、「写真撮影は固くお断り致します」というお決まりで残念ながら写真はありません)
さて、続いては対照的にしっとりと、そして力強く『ラッキー・オールド・サン』を演奏し、場内はいい感じにクールダウン。 小生はこの曲に付けられた卓ちゃんの歌詞が好きだ。
続いてオリジナル曲の『星を観に行こう』。昭和を感じさせるスローなジャズナンバー。これもいい感じ。
さらに昭和路線のオリジナルで軽快なナンバー『風は向かい風』。ま、内容的には真冬な曲ということなのだが、フルバンドの魅力を生かしたアレンジが光る。
そして、最近のカンザスシティーバンド一押しの(?)前向きなナンバー『新しい靴履いて』で終演。
さて、ここからは予定調和なアンコールナンバーだ。 まずは『なんていいハナシ』。お! ネタが新しくなったんですね? 場内大爆笑。 そして、昭和の名曲『黄昏のビギン』。いやぁ、いつ聴いても染みますなぁ。 涙が出るほどツヤのあるホーンセクションがすばらしすぎる!
そして最後のナンバーは、今回のテーマソングとも言える(っと勝手に決めているが)『ナナカイのブルース』。 コテコテの6/8ビートがグッと来るナンバーだ。 ギターソロは富永寛之氏! そして河野文彦クンとツインギターソロに展開。 すばらしい。 後半のホーンアンサンブルにかぶるように卓ちゃんの終演を告げるMCがいい感じだ。
2部構成、全21曲の大人の夜のビッグバンドブルースショーは、かくもゴージャスに終演を迎えた。
終演後は少しだけ卓ちゃんとおハナシを。ええ、これ一回きりってのはいかにももったいない。是非ともまたやってくれってハナシをしたワケで。ただ、今日は平日。明日はフツーに会社もあるし、時間はそろそろ終電ギリギリ。ライブ後の雰囲気をもっと味わっていたかったんだけど、早足で渋谷駅に向かいました。
マジで、また演ってくれ!
マジで、また演ってくれ!